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このサイトの情報は古い情報です(運賃の内容は消費税が5%の時の情報です)。本ページの内容は以下の「イロイロの鉄道と幕のブログ」に更新版を記載しています。
JRの運賃を計算してみよう

JR運賃を計算してみよう

関東地方にお住まいの皆さんは、最低1回はJRは利用したことがあると思います。普段は切符を購入するとき駅にある運賃表を見て目的地までの運賃を知ることができますし、インターネットで運賃を調べることもできますが、みなさんは運賃の計算方法をご存知ですか?実は知らない人が多いと思います。実はJRの運賃の計算方法はかなり複雑らしいです(私もよくは知りません)。ここでは話を簡単にするためにJR東日本・JR西日本・JR東海の3社内の移動の大人片道運賃(普通乗車券)の計算方法を解説したいと思います(ちなみに子供は半額です)。なお運賃計算の着眼点は次の通りです。

  1. まずは出発駅と到着駅までの営業キロを時刻表などで調べる。
  2. 幹線のみでの相互発着か?地方交通線のみでの相互発着か?または跨ぐか?。また幹線の場合は電車特定区間内、東京山手線内のみでの相互発着か?跨ぐか?
  3. 換算表で運賃を調べる
  4. 特例の確認

※ここで述べている運賃計算はおおざっぱなものです。特例などにより必ずしも実際の運賃と合うとは限りません。また東京近郊を対象として解説しています。
なおここに書いてある内容は必ずしも正確とは限りませんので「こんなものか」という感じで読んでください。

正確な運賃はネットで簡単に調べられますので・・・

幹線・地方交通線・電車特定区間

JRの各路線は幹線と地方交通線の2つに分けられています。運賃は幹線のほうが地方交通線より安く設定されています。幹線の定義はありますが関東地方の路線はほとんどが幹線なのでここでは触れず、関東地方の地方交通線はこちらを参照。以下では幹線のみの利用に限って話をします(幹線と地方交通線をまたぐ場合は後で説明します)。東京附近や大阪附近の幹線区間の利用者の多い区間については、この区間内を相互発着する(=出発駅と到着駅が幹線区間の利用者の多い区間に含まれている)場合は、幹線よりもより割安な運賃が設定されている。この区間を電車特定区間という適用範囲はこちら)。さらにこの区間でも利用者が多い山手線区間内を相互発着する場合は、さらに安い運賃が設定されている。これを東京山手線内という(適用範囲は山手線と山手線内部を通っている中央線)。

実際に計算

運賃は当たり前ですが出発の駅から到着駅までの営業キロ(以下営業キロのことを距離という場合がある)で決められます。また複数経路がある場合は通常は最短距離を運賃の計算に用います(ただし例外もありこちらを参照)。距離のキロメートル以下は切り上げます。

幹線・地方交通線・電車特定区間・東京山手線内相互発着の場合

まずは出発の駅から目的駅までの営業キロ数を調べる必要があります。これは時刻表で調べることができます(または総武本線京葉線武蔵野線は当ホームページでも調べることができます。乗換えがあるときや複数経路があるときは計算が面倒くさいですが)。次に実際に運賃の計算をします。以下の距離と運賃の換算表を用います。

電車特定区間⇔幹線の場合

幹線の運賃が適用されます。また電車特定区間⇔幹線⇔電車特定区間となる場合も幹線の運賃が適用されます。

換算表
営業キロ電車特定区間片道運賃幹線の
片道運賃
営業キロ幹線の
片道運賃
営業キロ地方交通線の片道運賃
〜3130/120140 301〜3205250 〜3140
4〜6150/160180 321〜3405460 4〜6180
7〜10160/170190 341〜3605780 7〜10200
11〜15210(190)230 361〜3806090 11〜15230
16〜20290(250)320 381〜4006300 16〜20320
21〜25380400 401〜4206620 21〜23400
26〜30450480 421〜4406830 24〜28480
31〜35540570 441〜4607140 29〜32570
36〜40620650 461〜4807350 33〜37650
41〜45690740 481〜5007670 38〜41740
46〜50780820 501〜5207980 42〜46820
51〜60890950 521〜5408190 47〜55950
61〜7010501110 541〜5608510
71〜8012101280 561〜5808720
81〜9013801450 581〜6009030
91〜10015301620 601〜6409350
101〜12017901890 641〜6809560
121〜14021002210 681〜7209870
141〜1602520 721〜76010190
161〜1802940 761〜80010500
181〜2003260 801〜84010820
201〜2203570 841〜88011030
221〜2403890 881〜92011340
241〜2604310 921〜96011660
261〜2804620 961〜100011970
281〜3004940 1001〜104012290

注意点
・この換算表は本州3社(JR東日本・JR西日本・JR東海)内の移動のみに適用可。
・/は左が東京附近、右が大阪附近の運賃である。11Km以上は東京附近、大阪附近のどちらも同じ運賃である。
・()は東京山手線区間内の運賃である。10Km以下は電車特定区間内と同様の運賃である。

上の換算表の算出(読まなくても良いです。興味を持った人だけ読んでください)

上の換算表は実際に算出することが可能です。幹線、電車特定区間内相互発着、東京山手線区間内相互発着のとき10Km以下は換算表どおりになります(固定)。11Km以上は次のように計算します。
幹線電車特定区間東京山手線内
営業キロ賃率(/Km)営業キロ賃率(/Km)営業キロ賃率(/Km)
300Km以下のとき16円20銭300Km以下のとき15円30銭300Km以下のとき13円25銭
300Km以上600以下のとき12円50銭 300以上のとき12円15銭
600以上のとき7円50銭

区分は

11Km以上のときは(営業キロ)×(賃率)を計算します(この制度を対キロ制という詳しくはこちら)。100Km以下のときは10円未満を切り上げる。100Km以上のときは十円の位を四捨五入してする。最後に消費税5%を加えて、1円の位を四捨五入する。例えば、電車特定区間の営業キロ21〜25Km区分のとき、営業キロ23キロとして計算する。
(23Km)×(15円30銭)=351円50銭
10円未満を切り上げて360円。税込み378円となり四捨五入して380円となる。
このように計算して作ったのが上の換算表です

計算例

(注意)通常は複数経路がある場合、大都市近郊区間でおいて、運賃は乗車駅から降車駅までの最短距離で計算されるが一般的であるが例外もある。
例えば、南船橋駅から千葉駅間を乗車する場合、次の2つの経路が考えられる

前者の南船橋駅と千葉駅間の最短距離は蘇我駅経由20.8kmであり電車特定区間外を一度経由するため、幹線の運賃が適用され400円である。
一方後者は電車特定区間内のみの移動となる。西船橋経由では距離は24Kmであり蘇我駅経由より営業キロは多くなるが、運賃は電車特定区間の運賃380円であり蘇我駅経由より安くなる。よって南船橋駅と千葉駅間の運賃は380円となる。このように運賃が必ずしも最短距離とは限らない。むしろ考え方としては複数経路のうちそれぞれの場合の運賃を計算したうち、一番安い運賃を請求するといったほうが分かりやすい。それが通常は最短距離となるわけであるが、このように電車特定区間の関係上、最短距離=最安運賃とはならない。
ちなみに380円の運賃しか払わないからといって、蘇我経由で乗車するのは駄目かというと、別に乗車しても構わない。そこには大都市近郊区間という制度があるためである。そもそも運賃は乗車した距離だけ払うのだが、首都圏のように複数路線が入り組んでいる場合、降車駅までに複数経路があることが多々あり、乗客一人ずつの乗車経路を把握し、運賃を請求するのは、乗客が多い都市部では事実上困難である。そこでこの制度は分かりやすくいえば、「実際にご乗車になる経路にかかわらず、最も安くなる経路で計算した運賃で乗車することができる」という感じである。
ただしこの説明は厳密には間違っている。大都市近郊区間の適用区間や詳しい説明については、
wikipediaを参照

地方交通線⇔幹線の場合

  1. まず幹線の営業キロを調べます。
  2. 次に地方交通線の「換算キロ」を調べます。
  3. 最後に1と2を足します。これで幹線の営業キロが算出されました。あとは上の換算表で運賃を調べます。

関東地方および周辺の地方交通線

JR東日本

JR東海

特例について

様々な特例があるそうですがここでは一部を紹介します。

特定区間運賃

上の計算だけでは実際の運賃より高くなる場合がある。これは特定区間運賃のためである。通常の営業キロ数で出される運賃よりも安く設定された区間がある。これを特定区間運賃という。この区間は鉄道事業者が特別に定めている。この区間が設定される理由は並行する他路線との競走上、通常のキロ数による運賃では高すぎて不利になるため、設定されている。特定区間運賃は「A駅〜B駅間はC円」と言うように設定されている。なおこの区間から一駅でも外れる通常の運賃にをとられるため、特定運賃区間の運賃が正規の運賃より割引率が高いと1駅でも外れた場合、正規の距離計算をするため、そのギャップが激しくなる場合がある。


東京駅〜西船橋駅間(総武線)の距離は20.6Kmなので正規運賃だと(電車特定区間内なので)380円となるが、特定運賃は290円である。なお東京駅から船橋駅(西船橋駅の次の駅)の場合は運賃が380円となる。この区間の競合路線は東京地下鉄東西線(西船橋駅〜大手町駅)である。

上記以外の関東の特定区間の例(カッコ内は正規の運賃)である。なお競合区間以外の区間でも、不公平になるため特定区間運賃が設定されている場合がある。例えば、新宿〜八王子間では、京王線との競合区間であり、運賃が安く設定されているが、八王子よりも新宿寄りの駅、豊田駅や日野駅は新宿駅までの通常運賃では、新宿〜八王子間の特定区間運賃より高くなり、不公平になるため、新宿駅〜豊田駅、新宿駅〜日野駅間も特定区間運賃が設定されている。

乗車駅と降車駅に2つの異なる会社が運営してる路線がある場合は、特定運賃設定がある可能性がある(競合区間すべてに設定されているわけではないので注意)。

往復割引

片道の営業キロが601Km以上であれば「行き」「帰り」の運賃がそれぞれ一割引になります。

特定都区市内駅を発着する場合の特例

札幌・仙台・東京・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・北九州・福岡の11都市内の駅とその都市内の中心駅から営業キロが201キロ以上ある駅との区間の運賃は、中心駅からの営業キロで計算します。都区市内発着の乗車券は、それぞれの同じ都区市内ならどの駅でも乗り始めまたは降りることが出来ますが同じ都区市内で途中下車は出来ません。中心駅はJRが定めている。中心駅は東京の場合は東京駅、横浜市内は横浜駅、大阪市内では大阪駅となっている。また都区市区の範囲もきまっています(範囲、中心駅など特定都区市内の詳細はWikipediaを参照)。


東京〜博多間の乗車券を買うと「東京都区内〜福岡市内」という切符が発券されます。この場合、東京都区内、福岡市内のどの駅でも乗り降り可能です。例えば新宿駅から乗車して、博多駅で降りる場合も、通過運賃は必要ありません。

※Wikipedia、JR東日本ホームページ等を参考に製作しました。

JR以外の千葉を中心とした鉄道事業者の運賃

ここではJR以外の鉄道事業者の距離と運賃の換算表を紹介します。JRの場合とほぼ同じですが幹線・地方交通線とかないので計算はJRに比べると簡単です。

東京地下鉄東葉高速線京成線
1〜6Km1601〜3Km200〜3Km130
7〜11Km1904〜5Km2804〜5Km150
12〜19Km2306〜7Km3506〜10Km180
20〜27Km2708〜9Km42011〜15Km250
28〜40Km30010〜11Km49016〜20Km310
12〜14Km55021〜25Km360
15〜17Km61026〜30Km420
31〜35Km470
りんかい線新京成線36〜40Km520
〜3Km200〜5Km14041〜45Km580
4〜62606〜9Km17046〜50Km640
7〜932010〜13Km19051〜55Km700
10〜1338014〜17Km21056〜60Km750
18〜22Km23061〜65Km810
23〜27Km25066〜70Km860

※上の表はWikipediaまたは各社のホームページを参考に作成

特記事項